>>DVD R/RW

SPARCマシン USB DVD ドライブの接続 (SPARC/X86) 

 USB外付けDVDライター/BUFFALO製 DVM-RX16U2 USB DVDドライブは SPARCマシン Solaris10で使用可能。

 このUSB外付けDVDライタドライブは、以前 Windows XP用に購入した格安のDVDドライブだが、SPARCマシンにつなげたところ問題なく認識して、書き込みも出来た。

 Sun SPARCマシンには通常 DVD-ROMのみでDVDライタドライブが付いていないものが多い。またBlade2000系マシンはSCSIを採用しており、ドライブを載せ替えるにもSCSI対応の DVDライタドライブはそうそう入手できない。

 PC用の外付けUSB接続のDVDライタドライブが使えれば非常に安くて簡単にDVDライタドライブが使用出来る様になる。また、USBプラグアンドプレイも動作するので複数のSPARCマシンで使用出来る。

  BUFFALO: http://buffalo.jp/


[設定および接続]
 特にUSBドライバをインストールした訳ではないので標準対応していると思う(Solaris10 製品版 1/06 *1)。dmesgコマンドでみると scsiのブリッジとして認識している様だ。
 Solarisで認識されれば取り扱いは通常の内蔵ドライブと同じ手順で読み書きできる(*2/*3/*4)。

【注意】
1.
Solarisインストール時には「全体ディストリビューションとOEMインストール」 を指定。
2.
USBのプラグアンドプレイ機能は問題なく動作するが、たまにDVDメディアが認識されない状態になる。この場合はDVDを出し入れすれば認識される。
3.
SPARCマシン本体電源と連動してDVDドライブの電源をOn/Offするオート電源認識機能は正常に動作しなかった。 ドライブ本体背面のオート切り替えスイッチをOFFで使用。
4.
BUFFALO製 DVM-RX16U2 USB では動作したが、同社他ドライブモデルで動作するかは不明。





mkisofsの日本語対応 (SPARC/X86)

 mkisofsはISOイメージを作成するコマンド。直接使用することは滅多にないが DVDの書き込みコマンド growisofsコマンド内部で使用されている。

 Solaris10に付属している mkisofsコマンドは日本語ファイル名(euc-jp)の書き込みに対応していない(Solaris10 08/07およびSXCE b84現在)。

 日本語ファイル名のファイルを euc-jpで -JオプションでDVDに書き込めば、Solaris上では問題なく使用することが出来るが、Windowsや他OSで開くと文字化けを起こす。

 以下のコマンドで mkisofsの対応言語一覧が表示される。
  (下記はインストール直後のデフォルトでの対応一覧)

Solarisプレインストールされている mkisofs の対応言語一覧
euc-jpおよびutf-8が非対応であることが解る。
# mkisofs -input-charset help
Unknown charset
Known charsets are:
cp10081
cp10079
cp10029
cp10007
cp10006
cp10000
koi8-u
koi8-r
cp1251
cp1250
cp874
cp869
cp866
cp865
cp864
cp863
cp862
cp861
cp860
cp857
cp855
cp852
cp850
cp775
cp737
cp437
iso8859-15
iso8859-14
iso8859-9
iso8859-8
iso8859-7
iso8859-6
iso8859-5
iso8859-4
iso8859-3
iso8859-2
iso8859-1
 

 これを回避するには以下よりパッチを入手して mkisofs を作り直す。mkisofsは cdrecordツールの一部でcdrecordを日本語対応パッチを適応したあとコンパイルして、mkisofsのみ入れ替える。

 
【ファイル入手】
 日本語対応パッチおよび cdrecord本体を下記より入手。

参考ページ 
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/3657/mkisofs_patch/
tarファイル
およびパッチ 
ftp://ftp.berlios.de/pub/cdrecord/cdrtools-2.00.3.tar.gz
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/3657/mkisofs_patch/noboru_nls_patch_20030714.txt.gz

【コンパイルおよびインストール】
 以下の手順でコンパイルを実行する。

パッチの適応とコンパイル
$ gatr xvzf cdrtools-2.00.3.tar.gz
$ cd
cdrtools-2.00.3
$ zcat noboru_nls_patch_20030714.txt.gz | gpatch -p1
$ export PATH=/usr/xpg4/bin:/usr/ucb:$PATH
$ env LC_ALL=C make


 cdrecordツールは Solaris10では標準でインストールされている。
 cdrecordツールをすべてを入れ替えても良いが、とりあえず mkisofsのみを入れ替える。

Solarisプレインストールされている mkisofs の保存
# cd /usr/bin
# mv mkisofs mkisofs.org


インストール
コンパイルが完了するとmkisofsは mkisofs/OBJ/{アーキテクチャ名}ディレクトリ下に生成されている。
これをコピーする。

注意する点は $PATH 環境変数でパスの通った場所にコピーすること。
次項で説明する growisofsツール内部で mkisofsが使用される為、mkisofsコマンドの参照順位に気をつける。
$ cd {コンパイルDir}/mkisofs/OBJ/i386-sunos5-cc
# cp
{コンパイルDir}/mkisofs/OBJ/i386-sunos5-cc/mkisofs  /usr/bin

mkisofsの言語対応一覧(確認)
# mkisofs -input-charset help
Unknown charset
Known charsets are:
big5
gb2312
euc-kr
sjis
euc-jp
utf8
tis-620
koi8-u
koi8-r
iso8859-9
iso8859-8
iso8859-7
iso8859-6
iso8859-5
iso8859-4
iso8859-3
iso8859-2
iso8859-15
iso8859-14
iso8859-13
iso8859-1
cp950
cp949
cp936
cp932
cp874
cp869
cp866
cp865
cp864
cp863
cp862
cp861
cp860
cp857
cp855
cp852
cp850
cp775
cp737
cp437
cp1255
cp1251
cp1250


【使用方法】

 ISOイメージを作成する場合は以下の様に使用する。

ファイル名またはディレクトリ名が euc-jp で日本語で作成されている場合のISOファイルの作成例
$ mkisofs -J -R -input-charset euc-jp -o {出力ISOファイル名} {file or dir}





dvd+rw-tools DVDツール  (SPARC/X86)

 dvd+rw-toolsはDVDの書き込みを行うコマンドツール群で Solaris10(SXCE or 8/07)に標準でインストールされる。
 dvd+rw-toolsは DVD-R/DVD-RW/DVD+R/DVD+RW/DVD-RAM/(Bul-ray?) に対応している。

 以下のコマンドが提供されている。
コマンド
説明
growisofs DVDに書き込みを行うコマンド
dvd+rw-format
DVDをフォーマットするコマンド
dvd+rw-mediainfo
DVDメディア情報の表示コマンド

【注意】
 growisofsコマンドでは書き込みの際、mkisofsコマンドを内部で使用する。
  growisofsコマンドでは mkisofsコマンドのオプションを指定することができる為、日本語対応のmkisofsを使ってDVDメディアに書き込めばWindowsマシン等で日本語ファイル名の文字が化けることはない。





DVD論理ドライブ名  (SPARC/X86)

 dvd+rw-toolsではDVDドライブの指定に論理デバイス名を使用して指定する。

 論理ドライブ名はマシン環境により異なる。自分のマシンにおいてDVDドライブの論理ドライブ名の確認は以下の様に行う。

デバイスの表示
# /usr/bin/iostat -En
....
c0t0d0           Soft Errors: 0 Hard Errors: 7 Transport Errors: 0
Vendor: PIONEER  Product: DVD-RW DVR-K06RS Revision: 1.06 Serial No: 
Size: 0.00GB <0 bytes>
Media Error: 0 Device Not Ready: 7 No Device: 0 Recoverable: 0
Illegal Request: 0 Predictive Failure Analysis: 0
....
このとき DVDドライブの論理デバイス名は以下の様になる

RAWデバイス名: /dev/rdsk/c0t0d0{パーティション(p)またはスライス(s)番号}
BLOCKデバイス名: /dev/dsk/c0t0d0{パーティション(p)またはスライス(s)番号}
[参考]
(1) AcerPower1000 搭載のDVDドライブ(パイオニア製スロット型DVDドライブ)の場合は
    RAWデバイス名は  /dev/rdsk/c0t0d0p0, BLOCKデバイス名は /dev/dsk/c0t0d0s2 となっている。
    (*)モデルや製造時期により異なるかもしれない。要確認。
    (*)スライス表記の場合、スライス2(s2)はディスク全体を表す。
    (*)パーティション表記の場合、パーディション0(p0)は
ディスク全体を表す。

確認するにはDVDを手動で適当なディレクトリにマウントしてみると良い。

手動マウントの例
($ /usr/bin/rmumount   ...removable diskのマウントの解除)
$ su
...
# /usr/sbin/mount -F hsfs /dev/dsk/c0t0d0s2  /pub/DVD



 また、論理デバイス名を調べる別方法として、vold(rmvolmgr)を利用する方法がある。
  voldを起動している場合、DVDドライブに既に書き込まれたメディアを挿入すると自動的にマウントされる。
  このときマウント状態を調べればDVDドライブのBLOCK論理デバイス名が解る。

vold(rmvolmgr) で自動マウントされた場合 通常 /mediaディレクトリ下にDVDメディアのボリューム名でマウントされる。
(*)ユーザでも確認できる。
$ /usr/sbin/mount
...
/media/{ボリューム名} on /dev/dsk/c0t0d0s2 read only/nosetuid/nodevices/noglobal/maplcase/rr/traildot/dev=6c0002 on {日付}
...




 

dvd+rw-formatコマンド: DVDフォーマット  (SPARC/X86)

 DVD-RW/RAMの様なメディアではフォーマットが必要になる。
 dvd+rw-format コマンドでフォーマットが可能。ただし初回書き込みを行えば自動的にフォーマットされる様なので特に意識する必要はない様だ。

フォーマット
# dvd+rw-format -force /dev/rdsk/{DVDドライブのRAW論理デバイス名}

【注意】
(1)  DVDドライブのRAW論理デバイス名は間違えない様に気を付けること。
(2) DVD-RW/+RWの場合、未使用DVDへ書き込みを実行すると自動的にフォーマットされる。
   意識してフォーマットを実行する必要はない様だ
(3) 一度フォーマットすれば再度フォーマットする必要はない。
上書きすれば元データは消され、新しいデータで上書きされる。DVDのフォーマットはDVDメディアの寿命を縮めるので極力使用しない方が良いだろう。どうしてもデータを消去したい場合は /dev/zreo を上書きすればデータを削除できる(ブランク化)。

[例] DVD-RW メディアのブランク化
   growisofs -Z /dev/rdsk/{DVDドライブのRAW論理デバイス名}=/dev/zero

(注)上記コマンドでブランク化した場合、/dev/zero からの入力は際限なく続くため、コマンドの終了はI/Oエラーとなって終了する。
しかしこれで特に問題はない(?)。
 


growisofsコマンド:DVDの書き込み (SPARC/X86)

  growisofsコマンドでの書き込みは、

(ケース1) 初期書き込みはたは上書きの書き込み(-Zオプション)
(ケース2) 追記書き込み(-Mオプション)
   
のいずれかを指定して行う。

 新規DVDメディアまたはデータを上書きする場合、-Z オプションを使用する。
  既にデータを書き込んだDVDメディアに追記(追加書き込み)をしたい場合は -Mオプションを使用する。


 その他のオプションは、新規、または上書き、追記において違いはない。

 下記の例は、新規または上書きでファイルまたはディレクトリをDVDメディアに書き込む例。
 書き込みには Jollietモード/RockRidgeモードで 、Solaris上での書き込むファイル名のエンコードは euc-jp を指定している。

(1) 指定ファイルの書き込み
# growisofs -Z /dev/rdsk/{DVD-RAW論理デバイス名} -J -R -D -input-charset euc-jp {書き込むファイル名}
この場合、指定ファイル名が DVDのトップディレクトリ下に書き込まれる。

(2) 指定ディレクトリ以下の書き込み
# growisofs -Z /dev/rdsk/{DVD-RAW論理デバイス名} -J -R -D -input-charset euc-jp {書き込むディレクトリ名}
この場合、指定ディレクトリ以下の内容がDVDのトップディレクトリ下に書き込まれる。
指定ディレクトリ以下の内容が書き込まれるのであって、DVDにトップディレクトリ下に指定ディレクトリは作成されない。

(3) 指定ディレクトリごとDVDに書き込む
# growisofs -Z \
  /dev/rdsk/{DVD-RAW論理デバイス名} -J -R \
  -D -input-charset euc-jp \
  -graft-points {DVD書き込み先ディレクトリ}/=
{書き込むファイル名orディレクトリ名}

 この場合、 {DVD書き込み先ディレクトリ}で指定したディレクトリがDVDに作成され、その下に {指定ディレクトリ名orディレクトリ名}が書き込まれる。

{指定ディレクトリ名orディレクトリ名} の部分で ディレクトリを指定した場合は注意が必要

-graft-points {DVD書き込み先ディレクトリ}={ディレクトリ}

と、"="の前に"/"を指定しなかった場合は、
{DVD書き込み先ディレクトリ}下に{ディレクトリ}で指定したディレクトリ下(ディレクトリが含まれない)の情報が書き込まれる。

-graft-points {DVD書き込み先ディレクトリ}/={ディレクトリ}

と、"="の前に"/"を指定した場合は、
{DVD書き込み先ディレクトリ}下に{ディレクトリ}で指定したディレクトリごと書き込まれる








DVDドライブのマウント (SPARC/X86)

 SolarisではCD/DVD/Floppyなどはボリュームマネージャが管理する。現在Solaris10とOpenSolarisとではボリュームマネージャが異なり、管理方法も違う(SXCE-b78, Solaris10-08/07)。

 ボリュームマネージャは、Solaris10(08/07)ではvolfs(vold)で、OpenSolaris(b78)では rmvolmgrとなっている。
  多分将来的には、Solaris10の方もOpenSolarisと同じ管理方法になると思われるが、当面は分けて使用することになる。

 
【rmvolmgrのボリューム管理】

 OpenSolarisでは DVD/CDROMなどは rmvolmgrボリュームマネージャにより管理される。rmvolmgrは特に問題もないので稼働させておいて問題はないだろう。dvd+rw- toolsのFAQページでは voldは解除した方が良いと書いてあるがrmvolmgrを起動したままDVDがマウントされている状態で、dvd+rw-toolsでデータを書き込 んでも問題ないようだ。

  起動確認方法
rmvolmgrボリュームマネージャの確認
$ svcs -a | grep rmvolmgr
online       6:14:27 svc:/system/filesystem/rmvolmgr:default

 rmvolmgrボリュームマネージャの有効化
rmvolmgrボリュームマネージャの有効化
# svcadm enable  svc:/system/filesystem/rmvolmgr:default

rmvolmgrボリュームマネージャでは 標準マウント先: /media/{ボリューム名} に自動的にマウントされる。
手動でマウント・アンマウントする場合は以下のコマンドを使用する。

マウント方法
$ /usr/bin/rmmount [{DVD-BLOCK論理デバイス名}]

マウント解除(アンマウント)
$ /usr/bin/rmmount -u [{DVD-BLOCK論理デバイス名}]
または
$ /usr/bin/rmumount [
{DVD-BLOCK論理デバイス名}]

【注意】
mount, umount コマンドを使用するとrmvolmgrのと連携がとれなくなり、マウントを解除しないかぎり ejectコマンドが実行できなくなる。rmvolmgr下でマウントされたドライブは rmmount(リムーバブルマウント)コマンドを使用する。


【volfs(vold)のボリューム管理】

 Solaris10(08/07現在)ではDVD/CDROMなどは volfsボリュームマネージャにより管理される。
 標準マウント先: /cdrom/{ボリューム名} に自動的にマウントされる。

 volfsボリュームマネージャ下で、growisofsコマンドの書き込みを行った場合は失敗する場合もある(本来はOKなはず...)。
 growisofsコマンドと相性が良くないみたいなのでvolfsボリュームマネージャは停止させて手動マウントにしている。





ユーザの書き込み許可 (SPARC/X86)

 dvd+rw-toolsは管理者(root)でしかDVDに書き込みが出来ない。
 RBAC機能を使い特定のユーザでも書き込みを可能にする。

【RBAC機能への登録】

 Solaris RBAC機能を使い、 dwd+rw-toolsコマンドのプロファイルを作成する。
 そのプロファイルを特定のユーザに対してエントリする。

(1) プロファイルの作成
下記例では、DVDに関するプロファイルを DVDUser としてプロファイルを作成する。
prof_attrファイルの末尾に追加する。
# cd /etc/security/
# vi prof_attr


....
DVDuser:::DVD writable User Profile:help==DVDuser.html

(2) コマンドを登録
下記の例では DVDuser プロファイルにdvd+rw-tools コマンドを登録している。
exec_attrファイルの末尾に追加する。
# cd /etc/security/
# vi  exec_attr


...
DVDuser:suser:cmd:::/usr/bin/growisofs:uid=0;euid=0

DVDuser:suser:cmd:::/usr/bin/dvd+rw-format:uid=0;euid=0
DVDuser:suser:cmd:::/usr/bin/dvd+rw-mediainfo:uid=0;euid=0
DVDuser:suser:cmd:::/usr/bin/dvd+rw-booktype:uid=0;euid=0
DVDuser:suser:cmd:::/usr/bin/mkisofs:uid=0;euid=0

(3) ユーザにプロファイルのエントリ
プロファイル DVDuser をユーザにエントリする。

下記例ではユーザ foo に対してDVDuserプロファイルをエントリしている。
(fooはDVD書き込みを許可する各自ユーザ名に置き換えること)
# cd /etc/
# vi user_attr

user_attrファイルにユーザ名fooの行が無い場合は以下の行を追加する。

...
foo::::type=normal;profiles=
DVDuser
user_attrファイルにユーザ名fooがある場合は profiles= の行末に ","で区切り、DVDuserプロファイルを追加する。

...
foo::::type=normal;profiles={..既に設定済みプロファイル..},
DVDuser

設定後、Solarisを再起動させ設定を反映させる。


【ユーザでの書き込み】

 上記の設定を終了すると Linuxのsudoの様に pfexecコマンドを使用してDVDの書き込みを行うことができる。

ユーザでのDVDメディアへの書き込み例
$ pfexec /usr/bin/growisofs -Z /dev/rdsk/{DVD-RAW論理デバイス名} -J -R -D -input-charset euc-jp {書き込むファイル名}
(注) pfexec の次コマンド指定は フルパス(/usr/bin/growisofs)で指定する必要がある。

コマンドが長いのでスクリプトファイルかalias設定で実行する方がよい。






スクリプトファイルの作成 (SPARC/X86)

 DVDの書き込みのGUIフロントエンドは Gnome nautilus、KDE k3d や他にいくつかフリーウェアでもある。
しかし個人的な嗜好で、コマンドターミナルで簡単に書き込める様にしたい。

 growisofsは引数が多く直感的に使いずらいので以下の様なスクリプトを作成し、ターミナルコマンドラインから簡単に書き込むことができる様にした。


  書き込みスクリプトファイル: dvdw.sh

【説明】
 DVD-R/RWへの書き込みを行うスクリプト。DVD-R/RW書き込み専用コマンド。

 指定のファイルまたはディレクトリ以下をDVD-R/RWへ書き込む。DVD-R/RWへの書き込みはディレクトリを指定してそのディレクトリ下に書き込むことも出来る。

  書き込みが正常に行われたを確認する為ベリファイ(比較)を行える様にした。データ劣化のチェックする機能としてチェックサムリストを作成してDVDメディアに書き込み、劣化によるデータ不整合がないかを調べる機能も追加。

  またRBAC機能でgrowisofsコマンドが設定されている場合、管理者以外で書き込みが可能になっている。


【コマンド形式】
   dvdw [options] {ファイル|ディレクトリ}  [dvd:/書き込み先Dir | dvd+:/書き込み先Dir/書き込み名]

[DVDの書き込み先指定方]
  DVDメディアのトップを DVD:/として書き込み先pathを指定する。
書式:
   dvd:{path} は書き込みディレクトリ(場所)を指定する。
   dvd+:{path/name} は指定位置に指定ファイル名またはディレクトリ名で書き込みを行う(リネーム時に使用)

  DVD書き込み先ディレクトリ(場所)がDVDメディア上に存在しない場合は自動で作成される
  DVD書き込み先を省略した時は
入力指定が{ファイル}の場合、そのファイルは DVDトップ(DVD:/)に書き込まれる。
入力指定が{ディレクトリ}の場合は{ディレクトリ}内容以下がDVDトップ(DVD:/)に書き込まれる.
({ディレクトリ}は含まれない)


注意事項】 
>> ファイルは euc-jp ロケールで作成してます。iconv/nkf等で適当なロケールに変換してください。
>> DVD-R/DVD-RW専用。CD-R/RWでは使用できません。UDFフォーマットには非対応。
>> スクリプト内の環境変数はマシン
環境に合わせて書き換える必要がある。
>> Solaris
/OpenSolarisでマウント方法が違うので注意する
>> また以下の Solaris10とOpenSolarisでの設定の違いに注意する。

【OpenSolarisの場合】
   OpenSolarisの場合、rmvolmgrボリュームマネージャを使用する。
rmvolmgrの有効化
# svcadm enable svc:/system/filesystem/rmvolmgr:default

 DVDメディアに書き込まれるボリューム名は任意に指定できる。


【Solaris10の場合
  Solaris10の場合、voldfsボリュームマネージャは使用しない。必ず停止する必要がある。
volfsの無効化
# svcadm disable svc:/system/filesystem/volfs:default

 Solaris10の場合、ボリュームマネージャ/volfsを使用しない。そのためマウント・アンマウントは手動で行う。
 
 また、DVDドライブのマウントパス位置を別途指定する必要がある。

 スクリプト内変数 MNT_BASE にマウントに使用するディレクトリを指定する。
 またvolfsを停止した為、現在のDVDのボリューム名が取得できないのでボリューム名は固定名となる。

スクリプト内変数 MNT_BASE のディレクトリ名(最下位ディレクトリ名)がボリューム名として書き込みの際、DVDメディアにボリューム名として書き込まれる。また他ドライブで書き込 まれたDVDメディアを使用する際、ボリューム名は無視され、変数 $MNT_BASEにマウントされる。

     スクリプト内変数
    MNT_BASE={パス}/{volume-name}

 (*)ディレクトリは予めmkdirコマンドで作成しておくこと。
 (*)/cdrom/...などは volfsと混同させないため避けた方がよい。


【スクリプト設定】
  スクリプトファイル内で宣言されている下記変数はマシン環境に合わせて書き換える必要がある。

変数
AcerPowerの場合(*)
説明
DVD_RAWDEV /dev/rdsk/c0t0d0p0 DVDドライブ RAW論理デバイス名 /dev/rdsk/....
DVD_DSKDEV /dev/dsk/c0t0d0s2 DVDドライブ BLOCK論理デバイス名 /dev/dsk/....
MNT_BASE /pub/mnt/DVD_RW
DVDマウント位置(上記説明を参照)
Solaris10の場合のみ。
OpenSolaris/rmvolmgrの場合は本変数は無視される。

右の例では /pub/mnt/DVD_RWにDVDメディアはマウントされ、"DVD_RW"がボリューム名として扱われる。
INPUT_CHARSET
euc-jp
Solarisでファイル名に使用している文字エンコード
 ja_JP.ecuJP (ja)の場合は euc-jp に
 ja_JP.UTF-8の場合 utf8 にする。
  (*) AcerPower1000 Sem3500+B160 モデルの場合。マシンやドライブ・環境によって異なる。


usageメッセージ
■ヘルプ
=========
usage: dvdw [options]
  [options]
      -help,-h  :ヘルプ表示
      -info,-i  :現在のドライブメディア情報を表示
      -volsize  :現在のドライブメディアの使用サイズ


■書き込み:
============
usage: dvdw [options] {ファイル|ディレクトリ} [dvd:/書き込み先Dir | dvd+:/書き込み先Dir/書き込み名]
 
[dvd:/書き込み先Dir | dvd+:/書き込み先Dir/書き込み名]
  書式:
    dvd:{path} は書き込みディレクトリ(場所)を指定する。
   
dvd+:{path/name} は指定位置に指定ファイル名またはディレクトリ名で書き込みを行う(リネーム時に使用)

  DVDの先込みを行うディレクトリ(場所)は存在しない場合は自動で作成される
  省略時は
指定が{ファイル}の場合、そのファイルは DVDトップ(DVD:/)に書き込まれる。
指定が{ディレクトリ}の場合は{ディレクトリ}内容以下がDVDトップ(DVD:/)に書き込まれる.
({ディレクトリ}は含まれない)
 
[options]
      -0,-session,-init,-Z :(*1) 初期書き込み/上書き書き込み   (growisofs -Z)
      -1,-merge,-add,-M    :(*1) セッションマージ(追記)書き込み (growisofs -M)
 
      -dryrun,-D            : 書き込みテスト                    (growisofs -dryrun)
      -dummy,-D             : ↑                                (growisofs -dryrun)
      -test,-D              : ↑                                (growisofs -dryrun)
      -dvd-compat,-C    (*3): DVD-ROMコンパチの書き込み         (growisofs -dvd-compat)
      -dvd,-C           (*3): ↑                                (growisofs -dvd-compat)
      -iso,-S           (*3): ISOイメージファイルの書き込み
      -speed=n              : 書き込みスピード(nは正数の数値)
      -Jolliet,-J     (*2*5): jollietモード(Unix)書き込み        (mkisofs -J)
      -RockRidge,-R   (*2*5): RockRidgeモード(Win/Unix)書き込み  (mkisofs -R)
      -volume={name}        : ボリューム名(非スペース文字列)     (mkisofs -V vol-name)
      -follow-links,-f(*2*5): シンボリックリンクを実体で書き込む (mkisofs -follow-links)
      -mkisofs={opts}   (*4):上記以外の mkisofsオプションの指定
 
      (*1)書き込み時は-Z(-0) か -M(-1) オプションのいづれかを選択(default -M)
      (*2)デフォルトオプション
      (*3)-dvd-compatデフォルトは-isoを指定時のみ有効
      (*4)スペースを含む場合や複数指定の場合は -mkisofs:"opts"で指定.
      (*5)-optを+opt指定にするとデフォルトが解除される.

マウント操作
 書き込み実行時は自動でマウントを解除する。
 書き込み終了時、
DVDメディアが初期書き込みあるいはボリューム名を変更した場合は 強制的にejectが実行される。
追記の場合は再マウントが自動で実行される。

■フォーマット
================
usage: dvdw [options]
[options]

      -blank  : ブランクディスクに戻す.
      -format : 完全フォーマット.(DVD-RW/+RWのみ)(DVD寿命を縮める)
 
 (注)使用済みのDVD-RWに上書き(-0/-Zオプション)をすればデータが消され新しいデータで上書きされる.
 -blankでのクランク化は /dev/zero で上書きしているので最後はエラーで終了するが問題はない.

■ベリファイ(比較)
==================
usage: dvdw [options] {ファイル|ディレクトリ} [DVD書き込み先Dir|File]
[options]

      -v,-verify : ファイルまたはディレクトリがDVDと一致するかをチェックする(md5チェック)
 (注)
(1)
{ディレクトリ}は [DVD書き込み先Dir]と相対的に一致したパスを指定。
(2)
書き込み後、マウント状態にして実行する。
(3)
直接 ISOファイルをベリファイすることは出来ない。ISOファイルをベリファイする場合はlofiadmコマンド等で仮想マウントした後、相対的に一致した{ディレクトリ}を指定することでベリファイを実行する。


■チェックサムリスト
====================
DVDに書き込まれたデータが劣化等で不整合を起こしてないかをチェックする機能.
事前に-add-checksumオプションでchecksumファイルを生成/DVD書き込みをしておく必要がある。

usage dvdw [options]
[options]
      -add-checksum : checksumファイルを生成してDVDに追記書き込みする.
      -checksum     : checksumファイルよりDVDデータ整合検査を実施(劣化によるデータ整合テスト).

■DVDマウント指定
==================
usage: dvdw [options]
[options]
      -mount,-mnt    : DVDドライブのマウント
      -umount,-umnt  : DVDドライブのマウント解除
      -mnt_info      : DVDマウント容量一覧
      -eject,-e      : DVD取出し


【使用例 (1) 初回書き込み or 上書き】
   初回(上書き)書き込みの場合は,必ず -0 オプションを指定する.

dvdw -0 {file} #ファイルをDVDに書き込む
dvdw -0 {directory} #ディレクトリ下の内容をDVDに書き込む
dvdw -0 {file}      {dvd:/DVD書き込み先} #ファイルをDVDの指定ディレクトリ下に書き込む
dvdw -0 {directory} {dvd:/DVD書き込み先} #ディレクトリごとDVDの指定ディレクトリ下に書き込む

使用例(1):
ABC.tar.gz というファイルを DVD:/Download/appilcation ディレクトリ下に書き込む(初回または上書き)
既にDVDにデータがある場合はそれらはすべて削除され、指定されたファイルで上書きされる。
# dvdw -0 ABC.tar.gz  dvd:/Download/appilcation

確認の為、ベリファイを実行する場合
# dvdw -v ABC.tar.gz  dvd:/Download/appilcation

使用例(2):
test01ディレクトリより下の内容をDVDのトップに書き込む。(test01というディレクトリは作成されず、内容のみが書き込まれる)
# dvdw -0 test01/ 

確認の為、ベリファイを実行する場合
# dvdw -v test01/

使用例(3):
test01というディレクトリ名を含むディレクトリ内容を DVDのトップに書き込む。(test01というディレクトリが作成され、ディレクトリ内容が書き込まれる)
# dvdw -0 test01/  dvd:/

確認の為、ベリファイを実行する場合
# dvdw -v test01/  dvd:/

使用例(4):
ABC.tar.gz というファイルを dvd:/Download/appilcation ディレクトリ下に TestABC.tar.gzという名前で書き込む。
# dvdw -0 ABC.tar.gz  dvd+:/Download/appilcation/TestABC.tar.gz

確認の為、ベリファイを実行する場合
# dvdw -v ABC.tar.gz  dvd+:/Download/appilcation/TestABC.tar.gz

使用例(5):
test01というディレクトリ名を dvd:/TestDir ディレクトリ下に Tested01 という名前のディレクトリで書き込む。
# dvdw -0 test01/  dvd+:/TestDir/Tested01

確認の為、ベリファイを実行する場合
#
dvdw -v test01/  dvd+:/TestDir/Tested01


【使用例 (2) 追記書き込み
 初回/上書きと同じ使用方法。追記オプション(-1|-M)は省略可能。
dvdw {file} #ファイルをDVDに追記する
dvdw {directory} #ディレクトリ下の内容をDVDに追記する
dvdw {file}      {dvd:/DVD書き込み先} #ファイルをDVDの指定ディレクトリ下に追記する
dvdw {directory} {dvd:/DVD書き込み先}
#ディレクトリ以下をDVDの指定ディレクトリ下に追記する

使用例:
ABC.tar.gz というファイルを DVD:/Download/appilcation ディレクトリ下に書き込む。
既にDVDにデータがある場合、それに追記される。
# dvdw  ABC.tar.gz  dvd:/Download/appilcation

確認の為、ベリファイを実行する場合
# dvdw -v  ABC.tar.gz  dvd:/Download/appilcation


(*1) {DVD書き込み先directory} はDVDメディアのトップ(DVDのルート, DVD:/)を基準とした書き込むディレクトリ名。DVDにそのディレクトリが無い場合は書き込み時に作成される。


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